2022/12/12 お知らせ ブログ

制作会社の予算はどう立てる?ベース→加算→減算で納得感のある予算立てを!

とっても大事なお金の話

ビジネスにおいて、何か新しいことを始めよう、何かを成し遂げようと思ったとき、お金の話ぬきでは物事は進みません。子どもへの金融教育の必要性が叫ばれているように、お金の話はタブーではなく、生きていく上で必須のスキルだと言えます。

こうしたお金を管理するための根幹となるものが「予算」です。予算とは主に年単位やプロジェクト単位の数値目標(売上予算、利益予算、原価予算、経費予算など)を表しますが、簡単に言うならば「使っても良いお金」のことです。一部、営業の場面では予算と言う名の目標を指すことがありますが、今回はシンプルに「使ってもよいお金」と捉え、その予算を「適切に予算立てする方法」について考えていきたいと思います。

と、その前に予算管理ができていないとどうなるのか考えていきましょう。

予実管理できていないとこうなる!

小規模の製作会社であれば、社長一人で大まかなお金の流れを捉え、採算を管理することもできるかと思います。ただし、案件が増加し会社規模が大きくなれば、個別の案件ごとに採算を把握するのが非常に難しくなっていきます。決算書を見れば黒字でなんとか着地しているけれど、なんか日々の経営が厳しい・・・。なんてことは非常に多いはずです。粗利だけを捉え、もっと利益が出ているはずなのにと考えてはいないでしょうか。

そこで登場するのが予算管理です。各案件に事前に原価上限を設け、その枠内で仕事を進めてもらう形です。ただし、制作業界では製造業や建設業、小売業などと異なり、実際の仕入れに多額の費用が発生するわけではないため、実態がつかみにくくなります。名ばかりの予算管理は会社経営の足を引っ張ることになり、損益管理が余計混乱し、赤字やサービス残業の増加など経営側と現場担当者双方の不満につながるなど、様々な弊害をもたらしかねません。

では、制作業界に適した予算はいったいどのように立てればいいのでしょうか?!

クリエイティブに適した予算管理の方法とは?

まずは、受注時の見積もり作成が重要です。事前にどのようなコストが掛かるのかを読み違えると、受注時点で赤字が確定し予算管理どころではなくなってしまうからです。そのような案件が続いてしまうと、どんなに良いものを創っても対価が伴わなければ継続できません。

次に適正な見積書を出し晴れて受注となれば、適切な予算設定が必要です。予算設定には以下の3つの視点から組み立てを行ないます。


●ベース予算
予算を作成するには土台となるベース値が必要となるため、現実的な数値として前年や実績や過去実績、受注金額からざっくりとした予算を決めます。

●加算要因
クライアントの性質や受注背景、目的を踏まえ工程数が増える、原価が増える要因を洗い出していきます。例えば、担当者が非常に細部まで気にされる方であるとか、受注プロジェクトが途中で大きく仕様が変わりそうだ・・・等です。

●減算要因
これまでの案件で流用できそうな箇所、ノウハウがたまっておりスピーディに進められる箇所等、工程を省略化できそうな箇所を洗い出していきます。

このように、ベース予算→加算要因→減算要因の調整を順序立てて設定された予算はメンバーの納得感も高まり、差分が起きにくくなります。

正当な対価を得ながらやりがいを持ってハッピーに働くために、まずはできる限り正確な予算を立てましょう!!!


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